2009/10/02

名簿屋にしてやられたというお話。あるいは英語でまくしたてられても冷静に応対しようというお話。 #scurity

ちょっと息抜きに、名簿屋にしてやられた、というお話。

弊社は、所帯ばかりは大きい製造業であるからにして海外にも拠点はある。アジアにもあるしオセアニアにもあれば、北米にも南米にもある。当然、ヨーロッパにだって拠点はある。ボクが所属するIT部門は「全社的な(コンピュータ)システムを統括する」というコトになっているので、まぁ、海外から電話があるのはアタリマエになっている。(といって、アタリマエに英語を喋れるわけでもないのは七不思議の類)

ちょいとばかり前置きが長くなったけれど。

その日、そのときもボクはいつもの通り押し寄せる問合せだのトラブルコールだのの奔流にてんてこまいで、電話を取るたびどころか鳴るたび頬はひきつり眉はキリキリ寄っていたと思いない。

不意に鳴った電話に「またかよ、集中させてくれ」と思いながら手を伸ばし、耳に当てると、相手は有無を言わせぬイキオイでとにかく捲くし立ててきた。何を言ってるんだかよくわからないが、なんだか困っているらしい。

天性のお人好しであるところのボクなので、ぱっと気分を入れ替えて「どうしたい?」と、たどたどしく聞く。すると「会社の(Microsoft Exchangeかなにかの)サーバが壊れて、日本のIT部門のスタッフに連絡を取りたいのに連絡先が分からない。これから何人かラストネームを挙げていくからファーストネームを教えてくれ」と言う。もちろん相手は容赦ないまくしたてるような英語である。

いやはや。この時点でおかしいと気づきべきだったんである。今から思えば。

しかし、そのときは相手の勢いと英語に気おされており、また相手がある程度までの情報(部署と名前)も知っており、しかも折り悪くこの初夏に組織変更があって色々人の異動があったりなんかもした関係で、ついつい問われるままにするする。

結局、これはオカシイぞと気づいたのは指折り数えて両手がふさがった頃。

「おいおい、なんでこんなに沢山、必要なんだね?そもそも日本側のイントラのサーバを見れば全部チェックできるぜ?」「いや、今、オフィスにいないんだ。だから日本のイントラは見に行けない」「オフィスに戻るまで待てないのかね?」「いや……わかった、ありがとう」(ガチャン)

慌てて逃げるように電話を切られた次第。

結局、ヤツは名簿屋で、手元の名簿にある人物がまだ在籍していると確認したかったのだなと気づいたのは、それからである。なんともはや、お恥ずかしいお話。

もしも英語の電話で、似たような話があったら、くれぐれも眉に唾つけて騙されぬようお気をつけて頂きたいんである。

どっとはらい。

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