2010/04/27

SSDはスクリプト言語の息の根を止めない。だって、ハッカーやプロフェッショナルなプログラマの生産性の方が高い価値があるから。 #computing

動的なス クリプト言語 (RubyPython など) と静的なコンパ イル型言語 (C++Java など) では、だいたい 5 倍から 10 倍ぐらいの速度差がある。それでもス クリプト言語が実用的に使われたのは、言語の速度差がそのままア プリケーションの速度差にはならないから。つまりス クリプト言語で作られたア プリケーションが、必ずしも C++Java 製のア プリケーションより 5 倍も遅いというわけではない。

言語の速度差がそのままア プリケーションの速度差にならない理由は、CPU より I/O (ネッ トワークやディスクアクセス) がボ トルネックになるから、というのはよく言われるし、実際そうである。少なくとも今までは。

スクリプト言 語の息の根を止めるのは案外 SSD かもな - kwatchの日記

元記事でSSDの普及によりI/OよりもCPUがボトルネックになる時代が来るので、CPU効率の悪いスクリプト言語は(黙って見てたら)息の根を 止められるであろう……という結論になってるのだけど。

はて。

じゃぁ、そもそもCPU効率の悪いスクリプト言語が、なんでそれ以前のコンパイル言語を押しのけて流行したんだろう? それは生産性がコンパイル言語/静的言語よりも遥かに高かったからだよね。

コンピューティングリソースはお金を出せば買える。しかも、ずっとずっと安価になり続けてきていて、クラウドコンピューティングの登場でさらに弾み がついている。もはやコモディティなんだ。

それに対して、優れたコードを書けるハッカーは金を出しても買えない。

「だから生産性の高い言語こそが優れている」と言い切ったのはPaul Grahamだったかな。ハッ カーと画家なんか読んでると、繰り返し陽に陰にそのメッセージが繰り返し現れるし。

ボクはコードを書く人ではない(たまにスクリプト言語で、ちょっとしたツールを書くことはある)ので、もしかしたら大きなカンチガイがあるかもしれ ないけれど。でも、あえて言い切ってしまおう。

一部のHPCの 世界はともかく、アプリケーションの世界ではコンピューティングリソースを効率よく使うことよりも、ハッカーの生産性の方が遥かに重要であり続けるんだ。

そして、それはハッカーだけの特権じゃない。非ハッカーな、いわゆるプロフェッショナルプログラマでも同じだと思う。だってプロとしてコードを書け る能力って、誰にでも備わったものではないのだもの。

コンピューティングリソースのやりくりは、インフラやプラットフォームのエンジニアに任せよう。そりゃリソースはムダなく使って欲しいけれど、彼ら の生産性と引き換えなら、ボクらはそれをムダとは呼ばないよ。

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