2008/04/10

クラウドコンピューティング市場にGoogleが参入 - Google App Engineがローンチ

 世界に数億はあろうWebページのインデックスを格納し、瞬きほどの時間で検索結果を返し、のみならず24時間365日無停止で稼動し続けるGoogle Searchを支えるインフラ(システム基盤)を、もし使うことができたら?

 Webサービスを志向(あるいは嗜好?)するエンジニアなら、誰しもが一度はちらりと思う願望である。
 今までは、Googleのエンジニアだけがそれを使うことができたわけだが。

Googleが「クラウド〔ウェブ・サービス上〕」でアプリケーションをホストするというのは単なる口先の話ではなかった。今夜、太平洋時間の午後9時、Googleは「Google App Engine」をリリースした。(アップデート: サイトも運用開始)。 フル機能のホスト版で自動的にどこまでもスケールするウェブ・アプリケーションが開発できる野心的なプラットフォームが登場したことになる。このシステムはPythonのアプリケーション・サーバ、BigTableへのデータベース・アクセス( ここここで予期されていた)、GFSデータ・ストレージ・サービスから構成される。

TechCrunch アーカイブ 》 Google、ウェブサービスに参入―「Google App Engine」で一挙に急発進

 そんなわけで、限定的ではあるけれど、Googleの外のエンジニアにも、そのインフラが開かれたというニュース。いわゆるクラウドコンピューティングへGoogleがついに参入したってわけ。

 このニュースを聞いて、思い出したのがこの本である。
 この本の中で、梅田望夫氏はグーグルをグーグルの本質は新時代のコンピュータ・メーカーと表現し、そのシステムインフラを「ネットの「あちら側」の巨大な情報発電所」と言い切っている。

 果たして梅田望夫氏が、本書の執筆時点でこのようなカタチまで想像していたかは分からないけれど、Google App Engineは正しく「情報発電所」が生み出す「電力」をGoogleの外に供給しはじめたわけで。
 これでまた、世界を動かすルールが大きく変わるんではないかと──そんなことを想像して一人、ドキドキしているんである。

 最後に、Google App Engineのリリースを受けてCNETに掲載されたコラムの一節を引用しておく。

 また、Web 2.5ではAmazonやGoogleといった巨大プレーヤーのデータセンターが活用される。これらは信頼性が高く比較的低コストの、巨大な仮想化されたスケールでウェブアプリケーションをサポートするために徹底的に構築された。そして、PaaSのプロバイダーにとっては、巨大なサブスクリプションベースの売り上げの源泉を確保できる可能性がある。彼らは地球上にウェブサービスを提供し、高価値の個人プロフィールデータを管理するユーティリティ企業になるのだ。

CNET Japan - 「Google App Engine」の登場とPaaS--Web 2.5がもたらす変化

参考リンク

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