『デュラララ!!』(電撃文庫 刊/ 成田良悟 著)を読んだ
疲れ果てて泥のように睡眠を貪った後、電撃文庫から今月出た『デュラララ!!』を読む。
あと書きによるとタイトルはギリギリになって、編集の人のノリで決めたんだとか。このテキトーさ加減がたまらない。(変に凝ったタイトルは往々にして滑るし)
さて肝心の中身だが。
舞台は東京。
主人公は──あと書きによると首なしライダーらしいが、本編を読めば決してそんな事はないと分かる。ライトノベルには珍しい『群像型』の物語である。
あらすじの欄にも書いてあるが『非日常に憧れる少年』という、いかにもライトノベル的なキャラクターから始まって──
『ストーカーの電波女』に『寿司屋のブラックルシアン』,『喧嘩上等・理屈無用のチンピラ』,『趣味で情報屋を営む青年』,『裏社会専門の医者』,『歪んだ恋に一直線の少年』などなど。
実に、硬軟とりまぜたキャラクターたちがトコロ狭しと暴れまわっている。
前に『Creators Network:創作者の共創のコミュニティ』の系統のIRC公開チャンネル『#もの書き』でも誰かが言っていたが『群像劇が得意な作家さん』なんである。
正直、これだけ多用なキャラクターを一冊の中で、過不足なく役を振って活躍させて魅せる作家さんは、そう多くないのではなかろうか。
それから扱っている素材もなかなかに多岐に渡る。
『都市伝説』に『インターネット・コミュニケーション』,『最近のワカモノ文化と若年犯罪』に『妖精物語』から『ロマンス』に『イマドキのピカレスク』に『少年・少女の成長物語』まで。
これだけ詰め込んで破綻なく一冊に収めるというのも、この作家さんの特性かもしれない。
兎も角も。
『萌えがないものに興味なんかないやいっ』
とか
『文学にあらずば小説にあらず』
とか
『特定ジャンル以外はどうしてもNG』
とか言う人で無い限り、買って後悔することはまずない一冊である。
是非とも一読あれ。
0 コメント:
コメントを投稿