2004/04/18

『デュラララ!!』(電撃文庫 刊/ 成田良悟 著)を読んだ

疲れ果てて泥のように睡眠を貪った後、電撃文庫から今月出たデュラララ!!を読む。

 あと書きによるとタイトルはギリギリになって、編集の人のノリで決めたんだとか。このテキトーさ加減がたまらない。(変に凝ったタイトルは往々にして滑るし)

 さて肝心の中身だが。

 舞台は東京。
 主人公は──あと書きによると首なしライダーらしいが、本編を読めば決してそんな事はないと分かる。ライトノベルには珍しい『群像型』の物語である。

 あらすじの欄にも書いてあるが『非日常に憧れる少年』という、いかにもライトノベル的なキャラクターから始まって──
 『ストーカーの電波女』に『寿司屋のブラックルシアン』,『喧嘩上等・理屈無用のチンピラ』,『趣味で情報屋を営む青年』,『裏社会専門の医者』,『歪んだ恋に一直線の少年』などなど。
 実に、硬軟とりまぜたキャラクターたちがトコロ狭しと暴れまわっている。

 前にCreators Network:創作者の共創のコミュニティの系統のIRC公開チャンネル#もの書きでも誰かが言っていたが『群像劇が得意な作家さん』なんである。
 正直、これだけ多用なキャラクターを一冊の中で、過不足なく役を振って活躍させて魅せる作家さんは、そう多くないのではなかろうか。

 それから扱っている素材もなかなかに多岐に渡る。
『都市伝説』に『インターネット・コミュニケーション』,『最近のワカモノ文化と若年犯罪』に『妖精物語』から『ロマンス』に『イマドキのピカレスク』に『少年・少女の成長物語』まで。
 これだけ詰め込んで破綻なく一冊に収めるというのも、この作家さんの特性かもしれない。

 兎も角も。
『萌えがないものに興味なんかないやいっ』
 とか
『文学にあらずば小説にあらず』
 とか
『特定ジャンル以外はどうしてもNG』
 とか言う人で無い限り、買って後悔することはまずない一冊である。

 是非とも一読あれ。

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