カウンターバーの司書さん
ふわりと包むような、ほどよく暗い照明のカウンターバー。
図書館でわざわざいちゃつく生徒たちのことを愚痴る司書(26歳)と、その女友達。
手元には、もろいほど繊細なカクテルグラスが、照明の柔らかい灯りを浴びている。
「やんなっちゃうわよねぇ。こっちは、今年のクリスマスもシングルベルを聞きそうだってのに」
「ふぅん、作ればぁ? カレシ」
「だめよぉ。ろっくな出会いなんだもん。見渡す限り、ハゲ・デブ・ガリ・汗のどれかなんだもん。教師が相手じゃ、将来性なんてたかが知れてるしぃ」
「あっ、そ」
「なによぉ。その冷たい反応」
「んじゃ、わたしなんてどう? ちなみに本気だから」
「──へ?」
福岡市郊外のカウンターバー『おにゆり』にて。
解説
2004年11月18日の #もの書き 公開ログより。
彼女の家がたいへん厳しく、電話もNG,休日のデートもNGな学生カップルが『学校でいちゃいちゃしてたら司書さんに怒られた』という話を受けて。
カウンターバーの所在地が福岡市なのは #もの書き 公開ログを手繰っていくとわかるかも、わからないかも。
あとそれから。
全国の教員の皆さん、ごめんなさい。けっしてボク自身は将来性ないなんて思ってないです、はい。
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