『ウェブ進化論 ──本当の大変化はこれから始まる』を読んだんである
そんなわけでタイトル通りウェブ進化論 ──本当の大変化はこれから始まるを読んだんである。(著者自身の記事は[ウェブ進化論] 「ウェブ進化論」品切れ状況について)
著者は梅田望夫。CNET Japanに梅田望夫・英語で読むITトレンドというblog連載を2年以上にわたり、ほぼ毎日更新のペースで続けていたひとである。
今はシリコンバレーでミューズ・アソシエイツというコンサルティング会社を経営するかたわらはてなの取締役(非常勤)を勤めている。
実を言うと、ボクはCNET Japanでの連載で随分と勉強させてもらったクチで。だから、この本が発売になったと聞いて是非とも読まねばと慌てて買ってきた次第。
で、本書の内容だけども。
大雑把に言えば、WEBを取り巻くここ数年のトレンドに関する紹介と、梅田さんの考察をまとめたものである。
ただし、書き下ろしではなくWEB上で公開してきた記事やフォーサイトで現在も続けている連載記事などを元にリライトしたものだ。
WEB社会とリアル社会との関わり合い──WEB社会とは本質的にどういうものであり、何がリアル社会と異なり、これからどうリアル社会を変えていくのか──というような話題に何章かが割かれていて、この視点は他の章でも一環して貫かれている。
またWEBの在り様を本質的に変えてしまった検索の雄グーグルについて、丸々一章が割かれている。
さらにグーグルについては、その他の章でも何度も言及される。それほどにグーグルが為したこと,これから為しつつあることはWEBにとって強烈なインパクトを持っているということでもある。
それからブログ,ロングテールとWEB2.0,オープンソースなどここ最近のトレンドを理解するうえで重要なキーワードについてそれぞれ一章ずつという構成である。
いずれの章も、技術そのものについては深くは触れていない。どちらかといえば、やはり社会との関わりにフォーカスがあって、その表現も平易だから理系にコンプレックスがある人でも気後れせずに読めると思う。
人により興味のフォーカスは異なるとは思うけれど、ボクはグーグル──世界一クールで、テクニカルで、壮大なビジョンで世界を変えようと志向する企業──に関して書かれた章を読むとき、ドキドキが止まらなかった。
まるで恋に落ちたかような、目に映る世界のことごとくが変っていく感覚。
グーグルは、良しにつけ悪しきにつけWEBの世界を変えてしまった。そして、おそらくこれからも10年は変え続けていくという予感がする。
blogにせよ、そのほかの記事にせよ梅田さんが送るメッセージは常に明るい。
この本でもそれは変らない。梅田さん自身も自らあとがきで言っている。
そんな集中を続ける間、常に意識していたことが二つある。
一つはオプティミズム(楽天主義)ということである。
あるいは、そのメッセージは表紙に引用された以下のブロックに集約されているのかもしれない。
……不特定多数無限大の良質な部分にテクノロジーを組み合わせることで、その混沌をいい方向へ変えていけるはずという思想を、この「力の芽」は内包する。そしてその思想は、特に若い世代の共感をグローバルに集めている。思想の精神的支柱になっているのは、オプティミズム(楽天主義)と果敢な行動主義である……
年齢も職業も──置かれている社会的な位置はいっさい問わない。
今、こうしてインターネットを利用している全ての人に、オススメの一冊なんである。
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