ご家庭用ロボットについて、もう少しつらつら
ご家庭用ロボットについて、もう少しつらつら。
前の記事では記事を次のように結んだ。
家庭用ロボットが広く深く普及していったとき。
そのとき。ボクたちの生活がどんな風に変わっていくか──秋の夜長に想像してみるってのも、なかなかわくわくしないだろうか?
で、今回は『じゃぁ、ボクの想像はどんな風だろう』という他愛もないお話。
とはいえ漠然と生活がどう変わるか、なんてちょっとイメージしづらい。カタチのないものは見えづらい。
だから、ストレートに単純発想。
どんなロボットたちが、どんなカタチでご家庭に入ってくるんだろうってところからイメージを広げてみたい。
- エンターテイメントとしてのロボット
- AIBOの成功で、もうすっかりお馴染みになったタイプのロボット。実用性を求めない分、アイディア次第で現行の技術でも十分に低コストで面白い製品を提供できる。
癒しロボのPAROなんかも、この類かもしれない。 - 知能化された家電製品としてのロボット
- 現行の家電製品の延長線上としてのロボットで、限定的にではあるが知能的に振舞う。そろそろご家庭には本格的に入ってきていると言えるかもしれない。
たとえばロボット掃除機のRoombaなんかは名前で言われてピンと来なくても、写真を見れば誰でも「あぁ、アレか」って思い出す──はず。ほら、たまにテレビにも出てる円盤型の小粋なアイツだよ。ね、ね? - インターフェイスとしてロボット
- “彼/彼女”に頼むと灯りをつけてくれたり、テレビをつけてくれたり、エアコンの調節をしてくれたり。そんな風に人間と電化製品を繋いでくれる。
あるいは“彼/彼女”にたずねると、今日の注目のニュースを教えてくれたり、GoogleやWikipediaでぱぱっと調べ物をしてくれたり、Skype経由で友達に電話を繋いでくれたり。そんな風に人間とネットワークを繋いでくれる。
知能化の進んだリモコン兼パソコン。一言で言ったらそんなところだろうか。
最初はぶっきらぼうで融通のきかない“彼”も、製品として習熟してくるうちに愛想良く気の利いた対応をしてくれるようになっていくだろう。少し時間は掛かるかもしれないけど。
その代わり、二足方向や別の方法でどこかに移動する機能はあまり発達しない。わざわざエアコンやテレビのあるところまで行かなくても、ネットワーク経由で命令すればいいからだ。 - 文化女中器としてのロボット
- ロバート・A・ハインラインのSF小説『夏への扉』に出てくるタイプのロボット──と言ってピンと来なければメイドロボと言ってもいい。(余談だけど夏への扉は猫小説としても有名で、猫好きにはたまらない)
知能化された家電製品との違いは、その汎用性にある。
機能が限定されない分、一つ一つの判断の複雑さは知能化家電とは比べ物にならない。それだけ高度な知能を備えることになる。とは言っても、人間っぽく振舞う必要はないけれども。
デザインはサイズ,形状ともに人間型になる必然性がある。
一つは人間が使う道具や機械をロボットも使える方が経済的であること,そしてもう一つは人間の側の心理的な影響を考慮してだ。とは言え、似せすぎるとキモチワルサが先に立つ。だから、ほどほどにロボットらしさは残るだろう。 - パートナーとしてのロボット
- 人間の曖昧な命令に応え、パートナーであることを実感させるため、高度なコミュニケーション能力を備える。またネットワークを通じて家の中の隅々まで把握し、インターネット上の様々な情報へアクセスすることもできる。
主人のスケジュールや生活パターンを把握・管理し、ちょっと思いついたことを頼めば大抵の用事をこなし、何か異常があればすぐに知らせてくれる──“彼/彼女”は、まさに執事や家令,秘書のように振舞うはずだ。
また、人間の感情移入を強化するため、各社こぞってコダワリのデザインを練り、ついにはペットや擬似家族──同居人に近い扱いをうけることになる。それどころか、いつかは一家に一台どころか一人に一台、まさにパートナーとしての位置を占めるようになるかもしれない。
最後の二つ、文化女中器としてのロボットとパートナーとしてのロボットに辿りつくまでは長い時間が掛かるだろう。
もしかしたらボクが生きてる間には一般家庭に浸透するところまでは至らないかもしれない。でも、逆に十年かそこらで一気にたどり着いてしまうかもしれない。
できれば、プロトタイプでもいいから、生きてるうちに会いたいもんである。
逆にエンターテイメントとしてのロボットは着実に順調に浸透していく。それはオモチャだったり、癒しアイテムだったり、擬似ペットだったり──或いは趣味のラジコンの延長だったりするかもしれない。
そんな気配は確実に感じるし、ヒット商品が出たら一気に浸透する可能性だって十分にある。多分、当面の有望株だ。
知能化された家電製品としてのロボットは地味に、気づかないうちに浸透していく。すでに現在進行形と言ってもいい。
きっと最初のうちは、ちょっと気の利いた家電製品に見えるだろう。だから気がついたら「アレ、もしかしてこれロボット?」なんてことになるんじゃないかと思う。そんな気がする。
インターフェイスとしてのロボットは、今の技術でもイイ線いきそうな気がするけれど。ただ、まだご家庭に入るには少し時間が掛かるだろう。単体では意味がないツカエナイ製品だから。
それでも、いずれ情報化家電(簡単な情報処理能力とネットワーク接続機能を備えた家電)の流れが順調に進んでいけば必然的に登場することになる。登場すれば難なくご家庭に入っていくことは想像に難くない。そして、機械オンチのお父さんやお母さんたちのお役に立つのだ。
つまり、最初はちょっと気の利いた多機能リモコンとして、だけど。
──ボクの思いついたカタチはこんな感じ。
なかなかイイカンジじゃないだろうか? いや、ボクの趣味が多分に混じってるから、ボクにとってイイカンジなのはアタリマエなんだけど(笑)。
これから数年のうちに、ボクの予想はどのくらい流れに沿っているのか。或いは大いに外れてびっくりすることになるのか。
今からちょっと楽しみなんである。
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