2006/11/23

知っておきたかったこと --- What You'll Wish You'd Known

 いつものようにGoogle Desktopが集めてくるRSSから気になった記事をわき目にちらちらチェックしつつ「お、Kenn's Clairboyance」が更新かかってるじゃん、なんて記事をクリック。第5回シリコンバレーツアーの募集が始まりますを開いて。

いま、これを読んでいるきみは、自分の進路について日々さまざまなことを思ったり、悩んだり、憧れたり、へこんだりしながら過ごしていることだろう。

そんなきみには、Paul Grahamが「知っておきたかったこと - What You'll Wish You'd Known(日本語訳)」という素晴らしい文章をものしているので、これをじっくり読んでみることをおすすめする。

第5回シリコンバレーツアーの募集が始まりますから引用

 まぁ、残念ながらボクもそろそろ選択肢はゼロじゃなく、それだけに次の道を選ぶのに迷いは少ないけれど可能性のストックは少しばかり在庫不足の感が否めないのだけども。それでもちょっと興味を引かれてリンク先をクリックしてみたりして。
 それで、ハッと、目ン玉に張りッ付いたガラスの曇りを拭われた思いがして、紹介してみたい次第。

 いわくこのエッセイは、ある高校の講演依頼を受けて準備したものである。その高校のお偉いさん方が反対して、結局私の講演はキャンセルされたのだが。だそうで、まぁ、内容を読んでみるとエスタブリッシュメント(権威)の側の人たちには確かにウケは悪そうで。
 でも、とても真っ直ぐに響くコトバなのだ。

子供は好奇心旺盛だ。ただ、ぼくがここで言っている好奇心は子供のとはちょっと違う。子供の好奇心は広くて浅い。ランダムに色々なことについて「どうして?」と尋ねる。多くの人は、大人になるまでにこの好奇心が全部渇いてしまう。これは仕方無いことだ。だって何についても「なぜ?」と尋ねていたら何もできないからね。でも野心を持つ大人では、好奇心は全部渇いてしまうのではなく、狭く深くなってゆくんだ。泥の庭が井戸になるんだ。

知っておきたかったこと --- What You'll Wish You'd Knownから引用
ぼくの友達の一人は、学校で提出するレポートに苦しんでいると母親が「それを楽しむ方法を見付ければいいのよ」っていうんだとぼやいていた。でもそれが、やるべきことなんだ。世界を面白くする問いを見つけ出すんだ。素晴らしい仕事をした人は、ぼくらと違った世界を見ていたわけじゃない。ただこの世界の中の、ほんのちょっとした、でも不思議なことがらに気づいただけなんだ。

知っておきたかったこと --- What You'll Wish You'd Knownから引用

 ──こんな具合。少しでも心に掛かることがあったら、是非ともリンクを辿って読んでみて欲しい。
 若い人はもちろん、ちょっと最近擦り切れてきたかな? って思い始めたオトナたちにも。

 これを読んで、二つの意味でボクは梅田望夫ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるを思い出した。

 一つは、オプティミズムということ。あるいは、未来に対する──特に未来の自分自身に対する気負わない信頼ということ。
 エッセイの端々ににじむポジティブな視点、でもキレイゴトで終わらない本音のアドバイスは、どこかおっちょこちょいでオトナの立場から見ると危ういところもある。
 それでも、きっとこの人は未来を積極的に楽観して、レポートに苦しんだときも「それを楽しむ方法」を見つけてきたんだろう。そういう、ちょっとおっちょこちょいなオプティミズムが彼を支えていて。
 そして、ボクたちにはそれが足りないんじゃないかと思う。

 そしてもう一つは、インターネットが、そしてWWWがボクにもたらした変化ということ。それはともすれば見逃しがちな、小さくてストレスのない変化だったけれど。
 そもそもインターネットってものが存在しなければ、きっと彼のコトバがボクに届くことはなかったし、それは彼のコトバだけじゃなかった。
 でも、今のボクを形作っている少なくないパーツたちは、そうやって出会ったコトバたちとの出会いで育ったものだ。
 そして、それはコトバとの出会いに限らない。
 あまりに日常になりすぎて時々忘れそうになる。ささやかな、大きな変化。
 それはWeb 2.0ってキャッチフレーズに背中を押されて、これからもまだまだ止まない。それどころか加速度を増して行く。そして、きっと沢山の新しい問題を作り出していくだろう。
 でも、同じくらいのスピードで次々と作りだされていく問題は、順番に解決されていくだろう。ボクはそう思う──というのも、おっちょこちょいなオプティミズムなのかもしれない(笑)。

 いずれ、色々と思うところの多い良いコトバとの出会いだったんである。

0 コメント: