2009/06/23

「我が息子に不景気の仕組みを教えた」の巻

今日は他愛もない日常の1コマを。

「ふけーきってなに?」

夕食を終えて、家族で団らんしていたときに我が息子が一言。息子ももう小学校高学年。そろそろ世の中の仕組みを教えてやらねばと意気込んで説明しました、というのが今日のお話。

「不景気ってのはね、銀行が会社にお金を貸してくれないってコトだよ。銀行がお金を貸してくれなくなったら、どうなる?」
「うーん………会社にお金がなくなる」
「そう、その通り。会社にお金がなくなったら、どうなると思う?」
「リストラされる!」
「(おいおい、いきなりリストラかよ) まぁ、そういうこともあるけれど。まずはお給料が減るよね? リストラもあるけど」
「……うーん」
「さぁ、お給料が減ったらどうなると思う? 例えばパパのお給料が今まで20万円あったのが18万円しかもらえなくなったとしたら」
「………わかんない」
「例えば今まで20万円もらって20万円使ってたとするだろ? そしたら手元には幾らのこる?」
「0円!」
「じゃぁ、18万円しかもらえないのに20万円つかったら?」
「ムリっ。足らないもん」
「そうだね。だから、使うお金が減るんだ。つまりモノを買わなくなる。そしたら誰が困ると思う?」
「…………わかんない」
「モノを買わなくなる、を別の言い方したら? 買うの反対ってなんていう?」
「(買うの反対は) 買わない!」(きぱっ
「(がっくし) いや、そうじゃなくって。君は国語の勉強をやりなおしなさい。買うの反対は売るでしょ? ……ってコトは、モノを買わないを別の言い方すると?」
「うーん……モノが売れない?」
「そう、その通り。モノが売れないと困るのは誰だろう?」
「モノを売ってるひと?」
「そう。つまり、会社が困る。お金が入ってこなくなっちゃうんだ。そしたらどうなると思う?」
「会社にお金がなくなる!」
「そうそう。そしたら、どうなる?」
「……うーん。どうなるの? わかんない」
「またお給料が減るのさ。で、また繰り返し。どんどんひどくなってくんだ」

とまぁ、こんな次第。つまりロジックとしては:

  1. 銀行がお金を貸し渋るので、企業は資金調達に苦しむ。経費削減のための措置の中で、従業員の給与が下がる。あるいはリストラされたり、求人が減って就職難になる
  2. 給料が減る(極端には解雇や就職難により収入が0になる)=消費者の購買力が減る
  3. 消費が冷え込む
  4. 企業は売り上げが上がらなくなり、ますます資金繰りに苦しむ
  5. 1に戻る

実際には、ここに株式市場や政府による対策, さらに実質的な購買力の低下以上に影響する消費者心理などなどが加わるし、不景気でも影響を受けづらい産業やむしろ強い産業などもあるわけだけど。そのあたりはボクも上手く説明できないし、小学生に教えるには複雑に過ぎるので割愛。

我ながら分かり易く説明したつもりだったのだけど……

「うー。眠い。お腹もいたくなってきちゃった。お風呂と(宿題の)読書はあした朝やるー」

よほど話が難しかったらしく、へろへろになって布団に潜り込んでしまった次第。

父の肩、がっくり落として、どっとはらい。くそぅっ。

追記.

ボクは一介のエンジニアで、専門的な勉強をしたわけでもなければ普段から興味をもって、この種の話題を追っているわけでもない。そんなわけで、見落としや勘違いなどあるかもしれないので、もしお気づきの方がおられたら是非とも優しく教えていただきたいんである。

ついでに、もっと分かり易く楽しく小学生に経済について教えてあげられる方法があったら、そっと教えて頂けたら幸い。ボクの父としての権威を保つために!(ぐぐっ

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