2010/02/26

「日経新聞 電子版」は果たして日経新聞社を生きながらえさせるだろうか? なんだか、ボクにはそうは思えないけれど。 #media #nikkei

画像Web刊有料会員向けトップペー ジ。本紙と同じ「日本経済新聞」の題字は、日経がWebに本腰であることを示している

 日本経済新聞社は2月24日、無料・有料コンテンツを組み合わせた本格的なネット新聞「日本経済新聞 電子版」(愛称:Web刊)を3月23日に創刊すると発表した。1日から購読申込みを受け付ける。

 「NIKKEI NET」をリニューアルする形で、一部の 記事 を無料で提供。有料会員になると、日経本紙に掲載される全記事を丸ごと読める。携帯電話からのアクセスや、設定したキーワードに関するニュースの自動ピッ クアップ、記事クリッピングなども有料会員向け機能として提供する。

 料金は、本紙(全日版3568円、朝・夕刊セット4383円)を購読していればプラス月額1000円、Web版だけなら月額4000円。

 喜多恒雄社長は「紙の新聞の部数に影響を与えないことを前提にした価格設定」と説明している。

日経を丸 ごと読める「Web刊」、単体月額4000円で 「良質な情報はタダではない」 - ITmedia News

最初、この記事を見たときには「うわ、見事な逆張りだなぁ」と思ったりした。でも、よく考えたら、国際的にもまだ勝負はついてないんだよね。むし ろ、有料 vs フリー/フリーミアムの勝負は始まったばかりとも言える。

……とはいえ、やっぱり高いよね。

まず第一に、新聞「紙」の定期購読と比べたときの割高感。新聞「紙」よりもコストは圧倒的に低いハズ(そうでないなら、日経のIT部門はよほど怠慢 で無能だ)なのに、実際の値付けは新聞「紙」と一緒、というのが、どうにも損した気分だ。ましてその理由が「紙の新聞の部数に影響を与えないことを 前提にした価格設定」なんてものだとしたら、やっぱりちょっとオモシロクナイ。

第二に、¥4,000-という値付けに見合った「価値」を感じられないこと。日経の全記事がWebで読める(でもシェアはできない)こと, ケータイからのアクセスや記事の自動ピックアップ, クリッピングなどに果たして\4,000-の価値があるだろうか?

ケータイアプリのヒットから、スマートフォンの普及への過程で、ボクらは「少額課金」には慣れてきたと言っていいと思う。……け ど、\4,000-って「少額」って感覚じゃないよね。そのあたりのハードルをどう乗り越えられるほどのインパクトは、正直言って感じない。

例えば、日経独自の情報が相当量アーカイブされていて、いつでも、どこからでも自在にアクセスできて、しかもソーシャルネットワークでシェアでき る……くらいのレベルにまで達していれば、とは思う。でも、もし、そこまで提供するとしたら「新聞社はテクノロジ企業になる」んじゃないかな。それはそれ でたいそう面白いコトになりそうだけど。

……たださ。

仏新聞社、「フリーミアム」モデルで有料化

 フランスのLe Figaro紙が「フリーミアム」モデルで自社ニュースサイトの有料化を発表した。ニュースは無料で公開し、印刷用ページ、ソーシャル機能などの付加機能 にのみ料金を課している。料金は「Connect」「Select」「Business」の3層構造で、「ニュースは永久に無料」。Connectは無料 で、ニュースレター受信や記事へのコメント投稿が可能。「Select」は月額8ユーロで、New York Timesの記事のフランス語版、紙面のデジタル版、アーカイブ内の記事(月間30本まで)、ほかの読者とつながるソーシャル機能、市民ジャーナリストと しての記事投稿を含む。Businessは月額15ユーロで、Selectの内容に加えて、アーカイブ内の記事月間90本まで、ビジネスニュースレター、 レストランや旅行の予約ができるコンシェルジェサービスを含む。独Hamburger Abendblatt紙も先月、「全国ニュースは無料で地域ニュースは有料」という形でニュースサイトを有料化している。

せか にゅ: 仏新聞社がWebサイト有料化、ただし「ニュースは永久無料」 - ITmedia News

こんなニュースを耳にすると、やっぱり「逆張りだよなぁ」という気分にはなっちゃうよなぁ。

blog comments powered by Disqus