2010/02/27

「世帯保育」から「社会保育」への回帰、ってアイディアについて色々と考えてみた。 #society #children

. @HighTaka 世帯保育から社会保育に「戻す」って考えはありですよな。狩猟採集のバンドのころから、育児も扶養も社会が行ってきたって側面は大きいわけで、世帯がやる こと自体が人類史的には特殊だったとも言えるかも。ベーシック・インカムも世帯扶養から社会扶養へですしね。
@koubou 2010.02.27 09:39頃 - twitter

多分、どこかですでに議論は始まっていると思う(心からそう願う)のだけど、このアイディアはちょっと思いつくだけでも:

  • 「親」の負担が減る
    • 「子育て」のために、仕事から離れざるを得なかった「親」の復帰が比較的早い段階で望める
      • 「親」にとっては収入面で助けになる
      • 「社会」に取っては「親」の労働力/生産力が早く戻ってくる (少子化と不景気で、どこも人手が足らないからね!)
    • 「親」の未熟さを「社会」が補える
      • 育児ストレス→虐待、のシナリオに歯止めが掛かる
      • 虐待に至らないまでも「親」が疲れ果てた, あるいは途方にくれるような事態に遭遇したときのケアを「社会」として担当できる
  • 「子供」が早い段階から「社会」に入る
    • 「子供」と「社会」の結びつきの強化
    • 「子供」同士のソーシャルな関係の強化
    • 「社会」に馴染みづらい「子供」の早期発見と、ケアの実施
  • 「子育て」のコストが「世帯」から「社会」に集約されるコトで「規模の経済」が働く
    • 単純かつ明快なコストダウンが期待できる
    • 過去の「育児」の経験を「社会」に蓄積し、再利用することで「子育て」の品質を上げることができる

……こんなトコロかな。掘り下げていけば、他にも色んなコトが期待できると思う。

対する問題は、やっぱり考察や議論を進めてイケば色々あると思うのだけど、やはりう最大のものは、その制度を「いったい誰が経営するのか?」という コトと「どこまで踏み込むのか?」というコトだろうね。

「地域社会」を強く意識し「家族の結びつき」を重視するなら、やはり「地方自治体」が経営するのがふさわしいと思う。ただし「集約」による効果は限 定的なものになるし、地域によってサービスの内容には大きなバラツキが生じる。

対して「社会」の意味を広くとり「集約」の効果を重視するなら、「政府」が経営するのがふさわしいね。「地域」や「家族」からは距離をおくことにな るかもしれないけれど、日本全国どこでも均質な「子育て」を比較的低コストで実現できる。

昔はこういう「制度設計」みたいなコトを考えなくても、なんとなく「地域に住むみなさん」が「社会保育」を無理しない程度に分担してくれてた……らしい。

でも「地域社会」を構成する「ボクら」自身はその時代の在り方がすでによく分からなくなっているし、だから「そのように」振舞うコトそれ事態がボク らに不自然を強いる。いわゆる「都市型」と言われる生活スタイルやら、「企業の雇用の在り方」などの社会的なコモンセンスも当時とは全然違ってきてる。

つまり「社会」の構造や、その構造を満たすボクたち自身が変わってしまっている今、素直に「昔みたいにやりましょうね」ってスローガンを掲げたって 上手くいきっこない。ボクらに「不自然」を強い、社会的なコモンセンスを大きく変えようとするなら、やっぱり「制度設計」(システムデザイン)って必要な んだ。

その「制度設計」そのものをボクら自身、みんながみんなしてやる必要は必ずしもない。それが必要なんだ、というコトになれば、それが得意なヒトたち が真剣に頭をひねって考えてくれる。ボクたちの社会はそういう「仕組み」を持っている。

でも、それは「だからボクたちは考えなくってもいいんだ」ってコトではないんだ。それぞれ、みんな何かしらの考えは持ってなくちゃいけない。だっ て、そのコトについてよく考えたこともなかったら「得意なヒトたち」の考えてくれた制度が、本当にボクたちの欲しいものか? あるいは、十分にそれに近いものであるか分からないよね?

さ、この記事を読んでくれたアナタはどういう制度がいいと思う? もちろん、「社会保育」への回帰なんかしない, これからも「世帯保育」でいいって考えもアリだよ。

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